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死因贈与(契約)とは、贈与者が生前に自己の財産を無償で相手に与える意思表示をし、相手方がこれを受諾することによって成立し、贈与の効力が贈与者の死亡によって開始するというものです。

生前に契約するもので死亡を原因として効力を持つ贈与契約なのですが、

贈与税ではなく、相続税が課されます。

したがって、確実に特定の財産を相続人に相続させたい場合等には死因贈与契約を結ぶということも一つの手段となります。

(もちろん遺言や遺産分割協議により円満に相続が終わることが一番よいことですが)

 

相続税が課される点では、一般の相続と違いはないですが、

死因贈与契約により取得した財産(不動産)には、不動産取得税がかかります。

また、死因贈与については、対象となる不動産に対して「始期付所有権移転の仮登記」

という将来の死亡を要件に、所有権移転登記を予約し、相続開始時点での所有権移転本登記の順位を確保することができます。

このときに必要になるのが、登録免許税ですが所有権移転の仮登記であるため、不動産価額の1%(本登記は2%)必要となります。

実際に本登記することになった場合には残りの1%部分についても支払う必要があります。

被相続人が財産家で、かつ財産の大部分が不動産であるような場合には、納税資金の確保に苦労することが想定されます。

このような場合は、被相続人を被保険者とする生命保険に加入しておくことが有意義です。

死亡時に支払われる保険金が相続税の額より大きければ、保険金以外の財産は守ることができます。

 

この相続財産を守るために必要な生命保険金額をタイトルにある、

「相続財産完全防衛額」といいます。

 

ここで注意すべきなのは、

相続税額が5,000万円であれば死亡保険金が5,000万円の生命保険に加入しておけば問題ないと思いがちですが、

死亡保険金は「みなし相続財産」として相続財産に上乗せされるので、増加する相続税額の分も加味する必要があります。

したがって、一般的に

現在の財産+(生命保険(共済)金(B)-非課税金額)=課税価額→相続税額(A)

A=Bとなることになります。

 

ただし、相続財産が大きい場合は、保険金額に見合う保険料も高くなり、保険料の負担が苦しくなることが考えられるので、他の対策も合わせて行うことが好ましい節税対策です。

相続税対策の一環として、生前贈与をすることは有意義なことです。

贈与はただ、ある人からある人へ物を渡すだけで成立するものではありません。

契約書を交わして(義務ではありません)、申告をする必要があります。

 

この贈与契約書については、確定日付をとることが通例となっています。

(確定日付...この書類がその日に確かに存在したという証明をしてくれるもので、公証人役場でとることができます。)

また、契約し不動産を贈与するときなどは諸費用がかかってきます。

例えば、

・登録免許税...固定資産税評価額×20/1,000

・不動産取得税...固定資産税評価額× 1/2(注1)×3÷1/00(注2)

(注1)平成23年3月31日までの土地のみの軽減措置

(注2)平成23年3月31日までは土地及び住宅用建物については3/100の軽減税率適用、住宅用以外の建物については4/100(標準税率)

・印紙税...贈与契約書 一通当たり200円

・確定日付手数料...贈与契約書 一通当たり700円

以上のように、贈与といっても最低限の費用はかかってきます。

 

子供がいない夫婦の場合、財産をどのようにするか判断に悩むところです。

面倒をみてくれた甥に財産をわけてあげたい、家を継ぐ人がいないので承継者が欲しいということもあるはずです。

法定相続人でなくても遺言を作成することにより財産を相続させることはできるのですが、
一親等の血族及び配偶者以外は税額が2割増になり相続税の負担が増えてしまいます

そこで便利なのが養子縁組です。

養子縁組は養親と養子との合意で、市区町村役場に届け出をすることによって簡単に成立します。

養子縁組による節税効果は大きく、
法定相続人が一人増える訳ですから、
相続税の基礎控除額が1千万円増える事と、生命保険金・退職手当金の非課税枠の500万円が各々増えます。

届け出をするだけで節税効果になるため相続税対策に大変便利なのですが、
歯止めをするために、
実子がいる場合は養子のうち1人まで、いない場合は2人までを法定相続人として認める決まりがあります。

また、
養子縁組をすることにより、個々の相続財産は減少することになりますので、
節税を追い求めるばかりに争族になりかねないので、家族(相続人)全員の同意を得ておくことが最善策です。

なお、普通の養子縁組の場合は実父母との親族関係は存続するため、養親と実父母の両方の財産を相続することができる権利があります。

被相続人の賃貸物件を別々の相続人が相続した場合、相続人の消費税の納税義務の判定は、その相続人毎に判定することになります。

例えば、

被相続人がA倉庫を賃貸し年間1500万円の収入、及びAA倉庫を賃貸し年間500万円の収入があったとします。

これを長男がA倉庫、次男がAA倉庫というかたちで相続した場合、

A倉庫は、基準期間である2年前の課税売上高は1500万円なので、相続開始日から年末までの期間、長男には消費税の納税義務が発生します。

一方、B倉庫は、課税売上高は500万円で1000万円以下となるので、次男は消費税の納税義務者にはならないのです。

個人事業を相続した場合... - 相続税専門センターのコラム

両親等が亡くなり、経営されていた事業(個人事業)を相続する方がよくいると思われます。

この場合、事業は新たな業務開始として取り扱われます。

青色申告等の承認の効果は、その承継者には及ばないのです。

従って、青色申告を引き続きしようとする場合は、一定の期限以内に新規に、又は改めて青色申告の承認申請をする必要があります。

相続税の申告期限までに遺産が未分割の場合は、相続人全員若しくは業務開始予定者全員が、とりあえず青色申告承認申請書を出すことになります。

また、被相続人が青色申告者だった場合には、青色申告の取りやめ届出書を相続開始年の翌年3月15日までに提出しなければなりません。
 
なお、業務内容等に応じて、
・個人事業の開廃業等届出書
・給与支払事務所等の開設等届出書
・源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書等
・青色事業専従者給与に関する届出書
・棚卸資産の評価方法、減価償却資産の償却方法の届出書
等の提出が必要となります。

相続対策の柱となるもの - 相続税専門センターのコラム

相続対策」と一概にいっても、一体何をするのか。
これは相続税や取り巻く環境を把握しておかないとなかなか難しいものです。

その相続対策の柱となるものが、
「節税対策」...相続税(含贈与税)の支払額自体を減少させるための対策
「納税資金対策」...実際に支払わなくてはいけない相続税を納める現金や預金を準備しておくための対策
「争族対策」...相続するにあたり家族で財産を巡る争いにならないように円満に相続するための対策

の3つといえるでしょう。

それぞれの主なものとして、(ここでは詳細は省きますが)

「節税対策」
贈与税の配偶者控除の適用
生前贈与
賃貸物件の建築
養子縁組の利用
農地の納税猶予
「納税資金対策」
生命保険(共済)の利用
延納
物納
「争族対策」
遺言書の作成
死因贈与
代償分割の利用
精算課税の利用

等があげられます。

相続対策は家族それぞれに適した対策があり千差万別ですので、相続税が多く発生しそうであれば、
税理士等の専門家にできれば生前からの対策や実際の相続時の対策を依頼し、相続に備えるのがよいでしょう。

はい、税金の世界にも時効は存在します。

提出した申告書に誤りがあり、納めた税金が少ない場合、税務署が課税を行うには法定の期限があり、それが時効となります。

申告済みの内容を変更するのが「更正」で、申告がなされていない場合に課税する手続きが「決定」です。

更正は申告期限から3年、決定は5年が原則です。但し、税金が減少する場合にはその期限は5年と長く、納税者有利に配慮がなされているのです。
しかし悪質な場合には7年がその期限となります。
逆に言えば、どんなに悪質な脱税をした場合でも、7年過ぎれば晴れて自由の身、これが税法の規定です。

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相続税を専門とする相続税専門センターです。
今後コラムという形で、専門情報や相続税に関する知識、
相続税を軽減する上での役に立つ情報を配信していきます。
将来の相続に不安のある方や、現に相続に直面している方等、
是非このコラムを参考にしていただければと思います。