2010年8月アーカイブ

2010年8月30日

物納について

相続税については金銭で申告期限までに納めるのが原則ですが、それが出来ない場合には「物納」という方法も認められています。物納が認められれば、例えば不動産であれ売却せずともそのもので相続税の納付とすることができます。ただし、あくまでも例外的なものですので定められた要件を全て満たしている必要があります。

(1)  延納によっても金銭で納付することを困難とする事由があり、かつ、その納付を困難とする金額を限度としていること。

(2)  物納申請財産は、納付すべき相続税の課税価格計算の基礎となった相続財産のうち、次に掲げる財産及び順位で、その所在が日本国内にあること。

  第1順位 国債、地方債、不動産、船舶

  第2順位 社債、証券投資信託又は貸付信託の受益証券

  第3順位 動産

(3)  物納に充てることができる財産は、管理処分不適格財産に該当しないものであること及び物納劣後財産に該当する場合には、他に物納に充てるべき適当な財産がないこと。

(4)  物納しようとする相続税の納期限までに、物納申請書を税務署長に提出すること。

 

物納ができるかどうかの判定について等は、税理士に相談されることをお勧めいたします。

2010年8月24日

延納について

納税資金対策となる「延納」とは、相続財産に不動産のようにすぐに換金を行うことが難しい財産が多い場合に相続税を年1回の元金均等払いで分割納付する方法です。
延納が認められるのは下記の要件です。

1、相続税の額が10万円を超えている
2、金銭納付を困難とする事由があり、その納付を困難とする金額の範囲内であること
3、納付期限までに延納申請書を提出すること
4、納税額に相当する担保を提供する
ただし、延納税額50万円未満かつ、延納期間3年以内の場合は必要なし)

 

分割払いの期間は原則は5年、

延納期間中は利息(利子税)と呼ばれる金利が発生します。

 

2010年8月13日

直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度拡充(平成22年税制改正)

従来、直系尊属(父母、祖父母など)から贈与で住宅取得等資金(住宅の取得・新築や増改築等に充てるもの)の贈与をうけたとき、
一定の要件を満たせば500万円まで贈与税を非課税とする措置が設けられていた。

今般の税制改正で、
非課税とされる金額が平成22年中に贈与を受けた者は1500万円まで、
平成23年中に贈与を受けたものについては1000万円までにそれぞれ引き上げられ、
納税者が優遇されるかたちとなっています。

この点に関して、金持ち優遇とならないように、
贈与を受けるものについては2000万円以下の所得制限が設けられています。
贈与を行う前に贈与を受ける者の所得について調べておく必要があります。

また、贈与者が父または母の場合には、相続時精算課税制度(特別控除額2,500万円)との併用を選択することも可能です。
 
相続時精算課税制度まで適用するとなると便利ですが、手続きが複雑になってきますので、
税理士等に相談されることをおすすめします。

2010年8月 3日

小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例

被相続人等が事業や居住のために使用していた宅地等は相続人の方にとっても生活の基盤となるため、
事業や居住の継続に影響することがないように配慮する、というのがもともとのこの特例の趣旨です。

しかし、改訂前は、相続人にとったら嬉しいのですが、
宅地を取得した相続人等が事業や居住を継続していなくても減額が受けられるという、本来の趣旨から外れたものでした。

そこで平成22年税制改正により、適用要件が厳格化され、
本来の趣旨に近づくこととなりました。これにより、減額割合が小さくなる若しくは適用されないというケースが登場してきます。

変更されたのは、
①事業や居住を継続しない宅地等を50%減額の対象から除外
②宅地の取得者ごとに適用対象となるかを判定
③一棟の多々ものの敷地については利用部分毎に按分して減額割合を計算
④80%減額ができる居住用宅地等は1つに限定

これにより、相続税が今迄よりも大きくなるケースが考えられます。
税理士等に相談し、納税資金の確保等相続税対策の検討が必要となります。

農地の納税猶予

 農業を営んでいた被相続人又は特定貸付けを行っていた被相続人から相続人が一定の農地等を相続し、農業を営む場合又は特定貸付けを行う場合に納税が猶予される制度が「農地の納税猶予」です。
農地等の価額のうち農業投資価格による価額を超える部分に対応する相続税額については、相続した農地等について相続人が農業を営んでいる又は特定貸付けを行っている限り、その納税が猶予されます。
ただし、猶予を受けるためには主に下記の要件に該当している必要があります。
 
1.被相続人の要件
  ・被相続人が死亡の日まで農業を営んていたと認められる。
  又は、贈与税の納税猶予の特例を受けるために農地等を生前に一括贈与したこと

 2.相続人の要件
  ・相続税の申告期限までに農業経営を開始し、その後も引き続き農業経営を行うと認められる人
 又は、贈与税納税猶予の適用を受けた人で、農業者年金の経営移譲年金を受けるために、その推定相続人の一人に農地等を使用貸借による権利設定をして農業経営を移譲したこと

3.農地の要件
 ・被相続人が農業の用に供して、又は特定貸付等により取得した農地等で、相続税の申告期限までに遺産分割協議により取得した農地。
 ・被相続人より生前一括贈与により取得した農地等で、被相続人の死亡時まで贈与税の納税猶予または納期限の延長の特例の適用を受けていた農地 等

また、この制度で猶予された相続税は次の相続、または農業後継者に対する生前一括贈与があるまでの間、その農地等で事業を継続した場合には、猶予税額の納付が免除されます。
 

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