2010年12月アーカイブ
2010年12月27日
借地権の評価
(1)借地権の評価
借地権の目的となっている土地が権利の付着していない、いわゆる更地であるとした場合の評価額に借地権割合を乗じて求めます。この借地権割合は、借地事情が似ている地域ごとに定められており、路線価図や評価倍率表に表示されています。
路線価図や評価倍率表は、国税庁ホームページで閲覧できます。
借地権の価額=自用地の価額×借地権割合(2)定期借地権の評価
原則として、課税時期において借地人に帰属する経済的利益及びその存続期間を基として評定した価額によって評価します。
ただし、定期借地権等の設定時と課税時期とで、借地人に帰属する経済的利益に変化がないような場合等、課税上弊害がない場合に限り、その定期借地権等の目的となっている宅地が更地であるとした場合の評価額に、次の算式により計算した数値を乗じて計算することができます。
(3)一時使用目的の借地権の評価
通常の借地権の価額と同様にその借地権の所在する地域について定められた借地権割合を更地であるとした場合の評価額に乗じて評価することは適当ではありませんので、雑種地の賃借権の評価方法と同じように評価します。
雑種地の賃借権の価額は、原則として、その賃貸借契約の内容、利用の状況等を勘案して評価しますが、次のように評価することができます。
① 地上権に準ずる権利として評価することが相当と認められる賃借権
雑種地の更地であるとした場合の評価額×法定地上権割合と借地権割合とのいずれか低い割合
② ①以外の賃借権
雑種地の更地であるとした場合の評価額×法定地上権割合×1/2
(注)
・「地上権に準ずる権利として評価することが相当と認められる賃借権」には、例えば、賃借権の登記がされているもの、設定の対価として権利金や一時金の支払いのあるもの、堅固な構築物の所有を目的とするものなどが該当します。
・法定地上権割合とは、その賃借権が地上権であるとした場合に適用される相続税法第23条に定められた割合をいいます。
2010年12月17日
借地権の相続
借地権についても、相続が開始された場合は一般の相続財産と同じように相続人に継承されます。
よって、貸主の承諾に関係なく相続税や贈与税の対象となります。
ただし、借地権の相続は譲渡に該当しない為、貸主への承諾料や更新料等の支払いは不要です。
また、地代、契約期間等契約の内容はそのまま継承されますので新たに賃借契約を取り交わす必要もありません。
なお、借地権には下記の種類が存在します。
① 借地権
② 定期借地権
③ 事業用定期借地権等
④ 建物譲渡特約付借地権
⑤ 一時使用目的の借地権
2010年12月10日
相続税最高税率55%に引き上げ案
Yahoo!ニュースより
政府税制調査会は11日、2011年度税制改正で、相続税の最高税率を現行の50%から55%に引き上げる方針を固めた。
相続する財産額から差し引いて税金を安くする基礎控除は、定額部分を5000万円から3000万円に、相続人数に応じた加算額も1人あたり1000万円から600万円にそれぞれ縮減する。税率の区分は現在の6段階から8段階に増やす。15日にも閣議決定する税制改正大綱に盛り込む方針だ。
政府内には、相続税の増税分を11年度に3歳未満の子ども手当を上積みする財源の一部にあてる案もある。
相続税の最高税率を引き上げ、基礎控除を縮減するのは、資産を多く持つ富裕層に負担増を求め、税収増を図るためだ。約4%と極端に富裕層に偏っている課税対象件数を約6%に増やし、是正する狙いもある。
先日より特に動きに注目が集まっていた相続税率の引き上げがついに本格化してきました。
2010年12月 3日
遺族が取得する年金受給権
遺族が取得する年金受給権として、国民年金や厚生年金をはじめとする公的年金と私的年金とに分けられます。
●公的年金制度の被保険者や加入者の遺族が受け取る遺族年金
相続税も所得税もかからないことになっています。
●私的年金で遺族が取得する年金受給権
こちらについては、年金の種類などによって相続税の課税が異なります。
・死亡退職における、適格退職年金契約による遺族に年金が支払われる場合
→年金受給権は死亡した人の退職手当金などとして相続税の対象となります。
・保険料負担者である被保険者が死亡した場合、本人が受取人でもある個人年金保険で、
年金支払保証期間内に死亡し、配偶者が残期間の年金を受け取ることになった
→この場合、死亡者から年金受給権を相続により取得したものとみなされて相続税の対象
となります。
また、年金受給権が相続税の対象となるときの価額の評価は、原則、年金の支払総額や支払期間などにより異なります。